2011年6月26日日曜日

Chicaが語るAmaniの魅力

Amaniの弟さんの結婚式に出席した際のAmaniとのツーショット 左:Amani 右:Chicaさん


Amaniの魅力を身近に感じているAmani Oriental Festival 日本事務局を務めるオリエンタルダンサーChicaさんにAmaniの魅力、Amani Oriental Festivalについてインタビューしました。



1.ChicaさんはAmaniの大ファンですが、Amaniの魅力を教えてください。

Amaniのダンスを見て最初に惹かれた点は、洗練されていてかつ斬新なこところです。それまで本場中東のオリエンタルダンスでよく目にしていたのは、即興的なダンスが主で、荒削りだったり構成としては物足りないと感じることが少なからずありました。かたや目にする欧米系オリエンタルダンサーのダンスは、大抵においてしっかりとした振り付けで構成されているのですが、アプローチが西洋式であり、中東のオリエンタルダンスとは違う芸術になってしまっているように感じられるものも多く、疑問を感じていました。そんな折りに友人が持ってきてくれたアマーニのステージのビデオを見て、目からうろこが落ちました。本場中東の正統オリエンタルダンスをベースとしながらも、それをしっかりとした構成力とダイナミックな動きで洗練されたパフォーマンスアートに仕立て、さらに伝統的な動きだけに捕らわれることなく、キャッチーなムーヴメントを加えて独自のスタイルを創りあげている。決して奇異をてらうことなく、オリエンタルダンスの根幹から離れずに表現の枠を大きく広げている。Amaniこそが自分が手本として探し求めていたダンサーだと思えたのです。

彼女のダンスをさらに多く見るうちに、自分が大きく惹かれた理由をもう一つ気づきました。それは、彼女のダンスにはドラマがあるということ。彼女は素で踊るのではなく、そのダンスのストーリーのキャラクターを演じているのです。スルタンの気を引こうとするコーティザンであったり、幸せに満ちあふれた快活な娘であったり、結婚式を翌日に控えた花嫁だったり。それが彼女のダンスの表現に厚みを加え、見る者を引き込むのでしょう。

Amaniを個人的に知ることとなってからは、彼女の人柄にも強く惹かれるようになりました。聡明で行動力があり、名声に甘んじることなく常に物事に真摯に取り組む真面目な人で、極めて品行方正。それでいて大変フレンドリーで、スターの気取りは全くなく、私のことも最初から友達のように扱ってくれるのです。決して営業的な愛想ではなく、差し入れのお菓子を半分に割って差し出してくれるような気さくな接し方で。さらに、彼女は大人の女性の可愛らしさを自然に備えている人です。腰に手を当てて大声で口論した後に、ウイットの効いた台詞を一言言って、大きな目を悪戯っぽくくるりと回し、とろけるような笑顔で相手の頬にキスをしてさっと仲直りしてしまう。そんなシーンを目にすると、自分が男性だったら間違いなく恋に落ちるだろうと思えてしまいます。見習いたいけれどこれはダンスよりも難しいかも。



2.ChicaさんはAmani Oriental Festivalに参加されたことがありますが、ダンサーとして最も感銘を受けた出来事を教えてください。

私はレバノンのジュニエで開催された2005年と2006年のフェスティバルの両方に参加しました。最も感銘を受けたのはサミ・フーリのオリエンタルダンスワークショップ。筋肉質でスキンヘッド、およそ女性らしさからかけ離れたルックスのサミですが、オリエンタルダンスを踊り出すと参加者達から黄色い歓声があがるほどの女っぽさ。彼は振り付けやテクニックを教えるのではなく、ダンスを感情の表現として踊ることを教えてくれました。進め方はオリエンタルの曲に載せて即興で踊るサミに、参加者が見よう見まねで踊りながらついていくという方法です。解説といえば「オリエンタルダンスは体操じゃない!スピリットとエモーションの表現なのよ!」とサミが繰り返し叫ぶだけ。でも、どんな言葉よりもサミが近くに迫ってきて、挑発するように情感たっぷりに踊る方が、よっぽど効果覿面です。最初は遠慮がちに踊っていた参加者達も、段々と彼の魔法にかけられていき、1時間のセッションが終わる頃には全員のダンスが見事にがらりと変わっていました。これこそ参加することに大きな意味がある素晴らしいワークショップでした。



3.Amani Oriental Festival参加パッケージでお申し込みをした場合、その他WSや食事を含めて、おおよそ必要な参加費予算を教えてください。

航空券、パッケージ以外の費用は下記となります。

  • WS:全23クラス受講で420ドル
  • フィナーレイベントの食事代:過去はホテルのシアターが会場だったため、フルコースディナーを食べながらコンペとショーのステージを見る形でした。今年は無いかも知れません。確か35〜40ドル程度。
  • 昼食:1食、500円程度
  • 夕食:1食、1000円から3000円 
  • ショッピング:ご自身の予算に合わせて。ちなみにベイルートにトルコやエジプトのようなみやげ物市場はありません。CDを買いあさるとか、スーパーで面白そうなものを見つけるとか、靴屋でおしゃれなサンダルを買うのが私のいつものショッピングですが、200ドルくらいでイブニングドレスを仕立ててもらっていた人もいましたっけ。コスチュームもレバノンではオーダーメイドするものなので、ショップは無いと考えた方がいいです。
  • 市内交通:乗り合いタクシーなら市内100円程度。

ちなみに観光ツアーの日には前2回とも、どう頑張っても到底食べきれないほどの量のフルコースランチが供されましたので、その日の食事代は飲み物代程度で済むことでしょう。

多分私はフェスティバル中はWSなどに専念し、数日延泊をして遊んできます。そのような場合は、延泊料金プラス4000円/日くらいが加わります。

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