2013年5月5日日曜日

ザーの儀式



ザーの儀式に関するリサーチにおいて博士号を取得しているDr. Gamal Seifのワークショップに参加しました。Dr. Gamal Seifは、ドイツを拠点にヨーロッパにて、ザーとヒーリングを組み合わせたワークショップを開催しています。

ザーは、エジプトではハドラと呼ばれています。ハドラは、「儀式に参加するために並ぶ」という意味があります。ですから、ザーは踊りではなく儀式なのです。


ザーは、6,000年〜7,000年の歴史があり、精神病や心理的病を持っている人のための悪魔払の儀式として行われています。今では、ザーの儀式に参加する人の99%は健常者であり、わずか1%が病を患っている人たちだそうです。

ザーは、絶大な力を持つ神を信仰しますが、特定の宗教とは全く関係がありません。

ザーの儀式を発展させたのは、ザーラという巫女さんです。彼女の名前から、この儀式がザーと名付けられました。その歴史はエジプトの太古の出来事から始まります。

大昔、エジプトのファラオの娘は不治の病に倒れていました。ファラオの娘は、多数の有名な医師に診察してもらいましたが、全く病が治る気配がありません。そこで、ファラオは娘の病を治した者に娘が所持する金の半分を贈与すると宣言しました。そのような中、ファラオの娘は、ザーラの儀式により病が完治し、それがきっかけで、エジプトでザーが流行ったそうです。一方で、ザーラはファラオの娘の金の半分を受け取らなかったそうです。なぜなら、ザーラは彼女の使命として病を治すザーの儀式を行っているからです。

ファラオの娘の病を治す過程で、ザーラは、ファラオの娘に「何に幸せを、何に不幸せを感じているのか」問いました。そして、ザーラはファラオの娘が不幸せであると知り、彼女に神を信仰させたのです。また、ファラオの娘に、ザーの儀式に必要な7つの行いを実施しました。

まず、ザーの儀式に参加する前に、洗浄をします。洗浄とは、首から下の全ての毛を除毛し、ローズウォーターで身体を洗浄。そして、部屋を掃除し、トイレを常に清潔に保ちます。ザーの儀式に必要な7つの行いとは下記のことを言います。

1. 色 
ザーラが踊りを見て診断した自分に合った色を使う

2.灯り 
鏡で部屋に太陽の光を取り込む、キャンドルを付ける

3.匂い 
毎晩ローズウォターで身体を洗う、毎日お香を焚く、ボフールを投与する

4. 瞑想、お経を聞く、マッサージをする

5. 踊る、歌う 
ザーラは、患者の踊りを見て何の霊に取り憑かれているか特定できるそうです。また、どの霊に取り憑かれているかにより、何色のキャンドル、どんな匂いが、その者に合っているのかわかるそうです。

例えば、
火の霊に取り憑かれている場合は、 赤いキャンドル
海の霊が取り憑かれている場合は、 青いキャンドル
砂漠の霊が取り憑かれている場合は、 黄色キャンドル
自然取り憑かれている場合は、 緑のキャンドル
また、良い霊を持ってくるのに必要なのは、白いキャンドル

6. 食事 
みんなで食事をします。参加者は、自分か一番好きな食べ物を持参します。また、ラクダや鳥などの動物の肉も必要だそうです。

7.会話 
何でも話さなくてはいけません。これは相手を信頼していないとできない行為です。ザーの儀式では、相手に騙されるまで相手を信じることを体感していきます。

ザーの儀式は通常7日間か掛かります。また、診断結果によりそのスケジューツを決定するそうです。

ザーの儀式は本来は男女別で行われるそうです。それは、女性の中に男性が少数参加する場合や、またその逆の場合も少数の参加者は異性を意識してしまい心を自由に解放することができなくなってしまうからです。通常は、ザーの儀式の導き役やミュージシャンは女性が担うそうです。

私は、ザーの儀式の一部を2時間程体験しました。そこで学んだことは、ザーとは普段の生活で分離されがちな心と頭を繋げること、自分自身と他者の境界線をなくし調和することを体感する儀式であるということです。ベリーダンス等の踊りは、振付け等、頭で考えなくてはならない動きが多く含まれています。一方で、ザーの儀式は、頭と感じる心を一体化させ、他者との調和を取り戻す、本来人間のあるべき健全な姿に戻るために必要な行いなのだと痛感しました。ザーの儀式を終えた私は、今とても心地良く、身体の芯が温まっています。たった2時間のプチ体験ですが、ザーの儀式の奥深さを体感させられました。