2011年8月29日月曜日

ホッサム ラムジー



1.ダンサーとしてどのようにリズムを学べばよいですか。又、ミュージシャンやドラマーはどのようにリズムを学ぶべきですか。
これは、まさに私がイギリスで運営するDrumzy School of Music & Danceや世界中で教えていることです。リズムを学んでいないという現状が、私達の愛するオリエンタルダンスを産業として停滞させているのだと思います。そして、リズムをマスターしていないダンサーは結果として、ダンサー自身だけではなく、オリエンタルダンスの芸術性そのものが軽蔑される理由を作ってしまうのです。
ダンサーとして、どのようにリズムを学べばよいですかという質問の答えは、
「音楽のリズムを聞き、そのリズムを明確に理解することです」
ダンサーは、ドラムを軽く叩くことで簡単なリズムの形式を学ぶべきでしょう。ダンサーがドラムを叩くことは、リズムを明確に理解することを促してくれます。これは決してドラム演奏の技術を学ぶということを目的にしているわけではありません。
もしあなたがフラメンコやインドのカタックダンスを習い始めたら、踊りの動きを学ぶ前に、リズム学ぶことを求められ、全てのリズムの要旨を理解しなくてはなりません。ですから、これらの舞踊芸術の講師やインストラクターは、リズムの教え方を知っているのです。
しかしながら、オリエンタルダンスにおいては、踊りを学ぶ前にリズムを理解することを求められていません。私と妻でありオリエンタルダンサーのセレーナが113日に来日しますが、リズムを学ぶことの大切さを是非日本のダンサーに伝えたいと思っています。
ミュージシャンやドラマーはどのようにリズムを学ぶべきですかという質問に関しては、
「ミュージシャンやドラマーはドラム演奏の仕方とリズムのフォーマットを学ぶ必要があるでしょう」
2.異なるリズム形式を学ぶ必要はありますか。

私は、全ての基音から部分まで関連するリズムの流れをシリーズとして発展させました。これを、「リズムの木」と呼んでいます。東京で開催される来日ワークショップではこの「リズムの木」についてダンサーとドラマーの為に教える予定です。
3.オリエンタルダンスに関連するリズムを学ぶのに最適な方法を教えてください。

オリエンタルダンスのリズムを学ぶ為のダブルCDを作成しました。
CDのタイトルは「Rhythms of The Nile EUCD 1427はホッサム ラムジーのオフィシャルサイトにて購入可能です。www.hossamramzy.com
このアルバムでは、私が楽器やリズムについて説明をします。二枚目のアルバムではどのように楽器を演奏するかということにも専念しています 4つの言語に翻訳した写しもついています。
4.ドラムソロを踊る時、オリエンタルダンサーがよくする間違いは何ですか。

よくある間違いは、「同じ動きを4回続ける」ということでしょう。それぞれのタイミングで新しいステップを踏むようにしましょう。
5.ベリーダンスのリズムに合わせる為にダンサーが注意することは何ですか。

時間の計測に十分注意する事
音楽のリズムを解釈する事!(リズムを必要以上に解釈しない事!)
6.パフォーマンス中のドラマーとダンサーの間にはリズムやテンポを変える時の合図はあるのですか。

私は、パフォーマンスの最中にテンポを変えた事は今まで一度もありません。途中でテンポを変えることが予定されているならば、オーケストラとダンサー、もしくは、ドラマーとダンサーの間で予めリハーサルをしてテンポを変える時のパフォーマンスを練習しておくべきでしょう。
「テンポやリズムを変える時に、ダンサーとドラマーの間にサインがある」という情報は、ベリーダンスの芸術性に傷を付けてしまうような、知識の無いインストラクターによる間違った情報です。
バレーを鑑賞した時、フラメンコを鑑賞した時、インドのカタックダンスを鑑賞した時に、ダンサーとオーケストラ、バンドの間にテンポやリズムを変えるサインなど全く無いことに気付くでしょう。
その原理は、オリエンタルダンスも一緒です。
歴史に残るスパースターエジプシャンダンサー(Nagua Fouad, Mona El Said, Soheir Zaki, Namima Akef, Zeinat Oloui)のパフォーマンスを見たことがありますか。
彼女達とバンドの間には、決してテンポやリズムを変える為のサインなどというものは存在しません。
7.グループでドラムソロの即興を踊ることは可能だと思いますか。

グループでのドラムソロの即興パフォーマンスは、リズムの間違った解釈が起こり、美しさに欠けるでしょう。グループでドラムソロを踊るのならば、リハーサルを行い、グループメンバーで特定の動きを練習するべきでしょう。
8.オリエンタルダンサーとパフォーマンスを通してコラボレーションする時、ダンサーとオーケストラに期待することは何ですか。

まずは、ダンサーとオーケストラ演奏者に私の記事Drumming 4 Dancersを理解してもらいたいです。記事を通して、ダンサーには音楽の解釈の仕方を学んでもらい、その後に、音楽の感情的要素について一緒に学びましょう。 間違えを正し、理解をし、学んでいくというのが私の教授方法です。
そして、皆がしっかりと学べたら、リハーサルや練習を通して、納得いく結果を出していき、ダンサーとオーケストラが一体となった完璧なパフォーマンスを見せることでしょう。
ミュージシャンにとって、オリエンタルダンスはオーケストラの演奏のシンフォニーのような神聖なものなのです。
10.ダンサーは音楽に反応し、音楽を目に見える形にするパフォーマーであるのならば、ジルはどのような位置づけになるのですか。

基本的に、ダンサーは音楽を解釈し、音楽を観客に目で見える形で伝える最後の楽器であるべきです。
ですから、ジルは観客の注目を集める為の道具といってよいでしょう。しかし、ジル自体は踊りではありません。
ジルは観客を惹きつける道具であり、あなたの踊りが音楽を解釈する触媒でなくてはならないのです。
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